多摩大橋開通記念式典

20071103_171010月27日、多摩大橋開通記念式典に出席し、環境建設委員長として、都議会を代表し祝辞を述べました。
写真はテープカットを行うところです。右端から国土交通省関東地方整備局の上野進一郎道路部長、萩生田光一代議士、黒須隆一八王子市長、左端から道家孝行東京都建設局長、小川友一代議士、北川穣一昭島市長です。

天候はあいにくの雨となりましたが、テントを張っての式典、そして渡り初めが行われました。

昭和41年に開通した多摩大橋は、東京都の多摩南西部と多摩北東部を連絡する多摩地域の主要な南北道路として、災害時の緊急交通路、緊急物資輸送路に指定されている重要な橋梁です。

一方、周辺地域の急速な市街地化等に伴い、一日に3万台まで交通量が増大し、多摩大橋を含む前後で慢性的な渋滞をきたし、交通上のボトルネック解消が急務となっていました。また、これまで片側歩道幅員は0.7mと狭く、歩行者の安全な通行が求められていました。

こうした背景をうけてこれまでの多摩大橘の上流側に新橋を架けるという多摩大橘の拡幅事業が計画され、工事が進められ本日開通の運びとなったものです。

新しい多摩大橋の特徴は、周辺環境に配慮するとともに、ランドマーク的要素を取り入れ、流水部をアーチ形式にしてあります。そのアーチのデザインは膜構造(シェル)の端部をトンネル状にくり貫いた形状に見えることから、「シェルドアーチ」と名づけられました。

(1)橋長:461m
(2)幅員:10.5m(車道7・0m 歩道3.5m)
(3)車線数:2車線
(4)事業費:65億円

このほか、
①主径間をアーチにより補剛することで、1:3の径間比による負反力と応力バランスのを解決するとともに、経済性の向上と全桁高の統一による景観性の向上が図られています。

②モノコック構造が採用され、最小数の面構成と極力エッジを減らすことにより、優雅でおおらかな構造美の創出が 実現しました。また、鉛直ケーブルの採用により優雅なアーチが引き立たられています。

③機能分離支承による7径間すべてを連続化し耐震性の向上とともに経済性の向上が図られました。

④製作に関しては、製作用模型が作成され、複雑かつ最重要部である隅角部の製作・施工が容易になるとともに、品質の 信頼性が向上しています。

⑤この下路式補剛アーチは、連続化した長さとしては日本で最長の橋梁です。また、この補剛アーチの造形は、日本で類を見ないばかりか世界的にみても珍しい橋でもあります。

【環境建設委員長挨拶 要旨】

ただ今、ご紹介をいただきました、東京都議会環境建設委員会委員長の谷村でございます。多摩大橋の開通式典にあたり、都議会を代表いたしまして、一言お祝いを申し上げます。
本日ここに、多数のご来賓、並びに、関係者の皆様方とともに、この記念すべき開通のお祝いができますことは、大きな慶びであります。天候はあいにくの雨でございますが、本日までの歳月を振り返りますと、心中「晴れやか」な開通式でございます。
完成に至るまで様々なご協力をいただきました地域の皆様や、国土交通省、昭島市、八王子市など関係者の方々のご努力に、心から敬意を表するとともに、深く感謝を申し上げる次第でございます

多摩大橋は、八王子市から昭島市を経て、私どもの地元であります武蔵村山市に至る、南北道路の一つである「八王子村山線」の橋梁でございます。緊急輸送路に指定されるなど、重要な橋として位置づけられておりますが、幅員が狭く、歩道がないため、歩行者の安全性の確保を求める声が、多く寄せられておりました。
完成した新しい多摩大橋は、歩道が整備され、耐震性にも優れ、デザイン的にも地域のランドマークとなるよう配慮されております。
新しい橋の開通を契機に、北多摩と南多摩相互の結びつきが一層強化されるものと思います。また、新しい橋が地元の皆様に末永く親しまれることを願ってやみません。

申し上げるまでもなく道路などの都市基盤は、都民生活や経済社会活動を支える最も基礎的なインフラであり、社会資本の中核であります。
東京都は、2016年のオリンピック開催を目指しており、また2013年には、多摩地域を主会場に第68回の国民体育大会、いわゆる多摩国体が予定されております。
これらを契機に更に質の高いレベルの成熟した都市となるため、また、都民が安全で安心な暮らしを確保するため、引き続き道路や橋梁などの都市基盤を着実に整備していくことが不可欠であります。

都議会といたしましても、今後とも、ご列席の皆様をはじめ、関係各位のご支援・ご協力を賜りながら、地域の発展と利便性の向上に欠かせない都市基盤の整備を強く支援してまいります。
結びにあたりまして、ご列席の皆様のご健勝・ご活躍を心から祈念いたしまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。本日は、誠におめでとうございます。