都立多摩・小児総合医療センターを視察

20120320_2313母子の「命」断じて守れ!
都立多摩・小児総合医療センターがオープンへ
全国初の成人・小児併設
重症妊産婦、常時受入れ可能に
新生児の集中治療小児ドクターカーなども充実/東京都

東京都は2010年3月オープンに向け、府中市内に、都立多摩総合医療センターと同小児総合医療センターの整備を急ピッチで進めています。同じ施設内に成人と小児の総合病院が併設されるのは全国初の試み。特に周産期医療の分野では、対応の難しい脳卒中や出血性ショックなどの重症妊産婦患者について、常時受け入れ可能となり、救急医療充実に期待が高まっています。
今回の両総合医療センターの整備目的は、都立府中病院を「多摩総合医療センター」に、都立清瀬小児病院と同八王子小児病院、同梅ケ丘病院を「小児総合医療センター」にそれぞれ統合、充実するもの。
この効果について、小児総合医療センター開発準備室の林奐室長は「今までより、迅速に母体と新生児を守れるようになる」と説明。
例えば、母体の中の赤ちゃんにも問題があり、さらに母親側にも脳卒中など重篤な症状が発生した場合、現在、母親は都立府中病院で治療を受け、新生児は都立清瀬小児病院や同八王子小児病院に搬送する必要がありました。こうした課題を、両総合医療センターの3階フロアで一体化された「総合周産期母子医療センター」で、迅速な対応が可能になります。
この母子医療センター内には、M―FICU(母体・胎児集中治療管理室)9床、NICU(新生児集中治療室)24床、GCU(新生児回復期治療室)48床、産科病床42床などが整備され、都内最大規模となります。
また全国初の小児専門の救急治療室(ER)設置や新生児も対応できる小児ドクターカーを配備し、東京型ドクターヘリがオープン時から運航予定で、多摩地域における小児救急医療体制が大幅に強化されます。
オープン後は、都内に3カ所しかない「スーパー総合周産期センター」として、多摩地域初の指定も期待されます。
一方の多摩総合医療センターはER病棟の増床や、がん医療と心臓病・脳血管疾患医療など高度・専門医療の充実が図られています。
都の医療体制の充実については都議会公明党(中島義雄幹事長)が積極的に推進役を果たしてきました。特に周産期緊急医療体制の強化については、プロジェクトチームを立ち上げ、都立病院の産科や新生児科の医師不足、NICUの病床不足への対応など具体的に対策をリードしてきました。
【スーパー総合周産期センター】2009年3月からスタート。近年、発生した“妊婦たらい回し”問題を受け、都が再発防止策として、指定した病院は重症妊産婦患者を必ず受け入れ、救命処置に当たります。これまでに28件の緊急搬送がありました(11月30日現在)。