平成21年 第2回定例会 討論

20090605_2357私は、都議会公明党を代表し、今定例会に提案された第107号議案をはじめ、すべての議案に賛成する立場から討論を行います。
最初に、補正予算について申し上げます。

今回の補正予算は、都が昨年度来、我が党の要望を踏まえて2度の補正予算を編成し、さらに21年度予算でも、都民生活が直面する危機に的確に応えてきたことを受けた、さらにもう一段の取り組みであり、都民生活の安心確保に万全を期すものであります。1-3月期のGDP速報値は戦後最大の減少率を記録するなど、景気の底割れ回避のためには、今がまさに正念場であります。都民生活に安心がなければ、経済も活性化できません。先の見えない不安や閉塞感が都民を覆っている時にこそ、都民生活にしっかりとした安心をもたらすことが必要であります。

今回の補正予算では、国の経済対策を一層有効なものとするとともに、都の当初予算編成後に生じた緊急課題にも迅速に対応しています。内容面でも、民間委託訓練の大幅定員増や小児医療、保育の拡充が予算化されるなど、公明党のこれまでの主張が反映されたものになっており、都民の不安解消に役立つ施策が並んでおります。さらに、公明党の取り組みにより、都にも配分されることになった臨時交付金を有効活用し、財政調整基金の取り崩しは最小限にとどめ、活用可能な基金残高は引き続き1.3兆円台を維持しております。

このように今回の補正予算は、その迅速さ、内容面、財源面のいずれにおいても高く評価されるべきものであります。

続いて、雇用対策について申し上げます。
有効求人倍率が1倍を大きく割り込み、雇用調整の波が正規労働者にまで及ぶなど、雇用環境は悪化の度を深めております。生活の根幹をなす雇用を守ることは、都政に課された最重要課題の一つであります。本定例会の質疑の中で、緊急雇用創出事業、新規学卒者を対象とする合同就職面接会の実施など、現下の雇用不安に対する支援策が示されました。都が、これまで時機を逸することなく講じてきた有効な施策を都民に分かりやすく伝え、必要なところは柔軟に見直すなど、その実効性をさらに高めて頂きたいと思います。
次に、新型インフルエンザ対策について申し上げます。

我が党も、早くから「新型インフルエンザ対策本部」を立ち上げ取り組んでまいりましたが、現在は小康状態にある新型インフルエンザが、今年の秋から冬にかけて、季節性インフルエンザとあわせて広がることも懸念されます。今回、都においては、集団感染防止策や感染拡大防止策など、きめ細かい対策を講じることが質疑で明らかにされました。いずれの対策も、兵庫県や大阪府の学校で集団発生したことを教訓としており、評価するものであります。

さらには、まん延期における外来診療医療機関の確保や、重症者のための入院病床確保なども進めることとしております。新型インフルエンザの脅威から都民を守るため、是非、都庁一丸となって、全力を挙げて対策を講じて頂くよう、改めて強く申し入れておきます。

次に、少子高齢社会対策について申し上げます。
知事と公明党の強い連携により、義務教育が終了する中学3年生までの医療費助成の拡充が、財政的裏付けを確保して、多摩地域でも実施されることになりました。このことについて、本定例会の知事答弁で、共産党が自らは予算に反対しながら、まるで自分たちの成果であるかのごとく、デマ宣伝していることが再確認されました。また、高齢者施策についても共産党は、石原知事が福祉を切り捨て、高齢者施策を後退させたと主張していますが、この点についても、いかに共産党の主張が的外れであるかが明らかにされました。

財政再建団体への転落さえ危ぶまれる中で都知事に就任した石原知事が、見直すべき事業は果断に見直し、大都市東京に特有の必要な施策には財源を集中的に投入して、福祉サービス全体の向上を図り、わが党と連携して、全国トップレベルの福祉先進都市を築いたのであります。

最後に、民主党と共産党に一言申し上げます。
政党としての軸足が定まっていないと言われる民主党は、国政では鳩山代表が党首討論で「官僚の官僚による官僚のための予算」と補正予算を酷評し、参議院で否決したにもかかわらず、その国の補正予算と関連した都の補正予算では賛成の立場をとっており、驚きを禁じ得ません。

さらに、昨年の第3回定例会に提出された補正予算では、新型インフルエンザ対策としてのタミフル、リレンザの400万人分の備蓄増強について、民主党は、「今でなければならない必要性は明らかではない」として反対し、危機管理能力の欠如が露呈しておりましたが、ここに来てようやく新型インフルエンザ対策の必要性を訴えております。パフォーマンス政治は質の悪い鍍金の如く、時の経過とともに、必ず剥がれるものであることを申し述べておきます。

共産党にも一言、申し上げます。
アメリカ帝国主義を批判し続け、対米従属の打破を掲げる綱領を持つ共産党が、(オバマ大統領からの)一片の通知に舞い上がり、党の代表がアメリカ大統領に擦り寄ろうとする羅針盤なき状況に、心からご同情申し上げるものであります。

さて共産党は、今回の補正予算について、事実を曲解した、看過できない主張を行っております。中小企業・雇用・福祉の分野が半分以上を占めているにもかかわらず、「大型開発中心の逆立ちした予算」などと批判し、さらには「都民のくらし、福祉に直接かかわる予算は全体の15%にすぎない」など、全く理解不能の数字を持ち出して、反対の立場をとっております。

定額給付金についても、国会で反対しながら、ほとんどの市区町村議会では民主党と一緒に賛成に回っております。定額給付金の支給を機に、各市区町村で既に取り組まれているプレミアム商品券について、今頃になって都が助成すべきだと訴えるに至っては、選挙目当てとはいえ、もはや滑稽と言わざるを得ません。公明党の主張を受け、既に助成されているのであります。

『党利党略』ではなく、都民ニーズにいかに的確に応えるかという『政策面』で、各政党が真正面から競うことこそが、本来の政治のあるべき姿であります。公明党は、こうした信念の下、都民の負託に真正面から応えていく決意を改めて表明し、私の討論を終わります。